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 内藤景代 

 2002年8月14日(水) 潮だまりの生き物たち、三浦半島、油壺。カニの擬態、引きこもり。冥想の「ものとひとつになるサマ−ジ三昧」。ヤドカリ、ウノアシ石川啄木の歌。海ほおづきは、貝の赤ん坊

上天気(じょうてんき)のきのうは――東京湾相模(さがみ)のあいだにつきでた三浦半島(みうらはんとう)の尖端(せんたん)にある――油壺(あぶらつぼ)の海岸へ行ってきました。

油壺の入り江

太平洋につながる入り江は、潮風(しおかぜ)は強かったですが、広々して気持ちが広がりました。邪気をはらい、十分に気をとりいれて呼吸法をして、気持ちよかったです。
 雲がなければ、海のむこうに富士山も見えるところです。
 あの3Dの北斎浦賀水道(うらがすいどう)のあたりからの富士山をかいた「神奈川沖浪裏」は、この三浦半島の反対側(東京湾側)になります。

潮だまり(タイド・プ−ル)で、(いそ)の生き物たちと時間を忘れてゆっくりと遊びたい…という長年(ながねん)の念願はかないました……
 潮だまり(タイド・プ−ル)というのは、潮が引いてできる一時的な「水たまり」で、また潮が満ちてくるまでは、小さな池(プ−ル)のようになっています。

●――以前から、(あみ)や手熊手(てくまで)などの磯の採集道具を用意してあり、「いつかどこかで……」と、楽しみにしていました。
 けれども荷物になるので、何年も手つかずの未使用でした。
 「いつか時間のあるときに……」と思って、納戸(なんど)にしまってあった一式(いっしき)を、今回はもっていき、たっぷりと「磯遊び(いそあそび)」をしました。


隠れているカニなど

→左側赤い矢印が、岩の一部のように、固まって「擬態(ぎたい)」で、引きこもっている、カニです。
 カニ本人は、見えないだろうとおもい、ジッと動きません。
 「わたし(カニ)は岩…」とイメ−ジして、「岩そのもの}になっているようです。
――このカニは、冥想の「ものとひとつになるサマ−ジ三昧(さんまい)」の境地になっているのかもしれません…



※→『ヨガと冥想』 20ページ

※→『冥想 マインド・トリップ』 119ページ

右側の赤い矢印のが小さなカニの隠れている
紫の矢印が、のようなふりをしたウノアシ。動きます。
黄色の矢印が、海藻…アオサ 海苔(のり)に似ています。

海苔はこういう海藻を岩からこそげ落とし、たいらなワクの型(かた=ネット状の鋳型=いがた?)に入れて、天日(てんぴ)で乾かして四角い紙のようにしたものです。焼くと、焼き海苔で、のり巻きやおにぎりに使います。
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 海苔を、乾かさないで、そのまま甘辛に煮つけた、真っ黒なものが海苔佃煮(つくだに)です。びんづめでありますね。「○○屋」の江戸紫。

★6月頃に、潮だまり(タイド・プ−ル)に産みつけられたアカニシテングニシという巻き貝の赤ちゃん(卵のう)が、7月12日にかいた「海ほおづき」です。
 テングニシは、団扇(うちわ)に似た形なので「軍配(ぐんばい)ほおずき」ともよばれるそうです。お相撲の行司(ぎょうじ)のもつ軍配です。



ヤドカリ

いろいろな貝に入って、すばしこく動く、ヤドカリもずいぶん、つかまえて、記念写真をとりましたが、貝の中に隠れてしまい、うまく写せませんでした。赤い矢印がそうです。


 貝そのものが、砂地におくと砂と混じって見えなくなるような「擬態」のもようですし…。


 貝や、それを家として拝借(はいしゃく)するヤドカリなどにとって、見える=見つかる=死…を意味していますから。




※→ヤドカリ宿かり)の話は『わたし探し・精神世界入門』 64ページ

●のんびりと、遊んでいると、石川啄木(いしかわたくぼく)の有名な歌が耳によみがえりました。

    東海(とうかい)の 小島(こじま)の(いそ)の白砂(しらすな)に
         われ 泣きぬれて カニと たわむる



カニ


……が、すばしっこく、岩や砂地へ、逃げ隠れして、ひきこもりたがるカニを砂浜に連れ出して「カニと遊ぶ」のは…せわしないものではなかろうか?
 つかまえて見ていると、死んだふりをして動かないし…

 または、忍者的に隠れているカニをジッとみつめ、でてくるのをまっていたのか? 何かでカニをつついたりして、出てこいよ、といっていたのか?

――どちらにしても、東京で感じた悲劇的な「失意の歌」のイメ−ジが、
なぜか、喜劇的でマンガチックに感じられてしまい、
マジメで悲愴(ひそう)な表情の啄木氏に申し訳ないような気がしてしまいました…
悲しき玩具(がんぐ=おもちゃ)』(啄木の歌集の題名)…歌…… 



カニやヤドカリは海へ逃がしてやったので――おみやげは、貝の殻(から)や海藻類です。 

※→貝と貝殻(かいがら)の関係の話は、
『わたし探し・精神世界入門』 47ページ
外なる私=貝殻と、内なる私=貝の中身


今、その時に採ってきた、
赤や緑や茶色の海藻(かいそう)などをいれた、
ガラスの器(うつわ)をそばにおいて、
キ−ボ−ドをたたいていますが、
潮の香(しおのか)がツ−ンと香ります。
  
水族館で、泳いでいるオウム貝などを見て、
なんと!…夕方の海で、夕焼けを背景にした富士山を見ました。

その綺麗な写真は、また明日。

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