2002年9月13日(金) ☆なぜ、「13日の金曜日」が「縁起)が悪い日」といわれるのか |
きょうは、「13日の金曜日」です。 ★なぜ、「13日の金曜日」が「縁起(えんぎ)が悪い日」といわれるのか? ●その前に…アゴヒゲアザラシの「たまちゃん」が、 きのう、横浜の近くの川で、発見されました。 「朝日新聞」では、今朝の一面に、カラ−写真で、「たまちゃん」が、横になってくつろいでいる写真をのせてくれています。(9月8日に行方不明とかきましたが…) ●「汚れちまった 悲しみに…」 ――という中原中也(なかはらちゅうや)の言葉が、うかんできました…… 新聞のカラ−写真を見ると、「たまちゃん」の肌が茶色に汚れてしまったように見えます…わたしが、8月15日に多摩川で見たときの、 「たまちゃん」の肌は、つるんとした灰色だったのに…… ――「たまちゃん」は、身をもって――わたし達が住んでいる――この東京周辺の川などの「水質汚染」を、目に見える形で、肌で、感じさせてくれているようです……。 ●『13日の金曜日』という、ジェイソンのでてくるこわいホラ−映画もヒットしました… 「13階段」は、「首吊りの死刑」のときの階段の数です。13段目が、はずれる… 外国のホテルなどでは、「13階が、ない」ホテルもたくさん、あります。だから、12階の次は、14階になり、エレベ−タ−などに乗ると、はじめは混乱します。 ●「13日の金曜日」は、「厄日(やくび)」で、「悪いことがおきる…」と、「縁起(えんぎ)をかつぐ」ひとも、キリスト教の国には多いようです。 ――なぜ、そうなったのか? というと、キリスト教の『新約聖書』にかいてある、2つの 「物語」を、「事実」と信じる人たちにとって、 「13」という数字と、「金曜日」という数字が、それぞれ、「不吉な意味」をもっているからです。 ●それで、2つの「不吉な意味」が、重なった日 ――「13日の金曜日」は、「魔の日」ということになったようです。 1: イエス・キリストが「12人の弟子」といっしょに「13人」で、「最後の晩餐(ばんさん)」をして、「13人目のユダ」が、裏切ったことで、イエスが処刑された…という物語 レオナルド・ダビンチの横並びの「最後の晩餐」の絵で有名な、お話です。 ――だから、「13番目」は、よくない数字だ…… 2: 「金曜日」に、イエス・キリストが十字架の上で、両手と両足にクギを刺され、はりつけ(磔)の刑になり、「出血多量」で、死んだ…という物語。 ――だから、金曜日には、「肉」を食べない…というカトリック教徒(キリスト教の旧教=カトリック=普遍性というギリシャ語)もいます。 ↑●イエス・キリストが十字架の上で死んだという物語を忘れないように、 カトリック教徒は、キリストがはりつけになっている 「タテの長い十字架(ラテン・クロス)」を、各自が首にかけ、 はりつけになってイエス・キリストが苦しんでいる大きな十字架を礼拝します。…こわい…… ●↑タテの長い、ラテン十字架(ロ−マのクロス) ※→「キリストがはりつけになっている十字架」の絵と、 その「意味」は、『聖なるチカラと形・ヤントラ』 39p 図4 「翼を失わずに、イニシエイションから再生する方向は?」 ★内藤景代の図形哲学の本『聖なるチカラと形・ヤントラ』 http://yantra-book.nay.jp/ ●最近、十字架(クロス)のアクセサリ−が世界的に、ブ−ムになり、 カトリック教会が、「聖なる象徴」を「汚すもの」として非難したという話ですが… それが、逆に、人気をあおってしまって、 映画や歌やスポ−ツなどの男女のスタ−がつけて、よりブ−ムになっています。 ※→「多様な十字(クロス)の例」は、 『聖なるチカラと形・ヤントラ』 281p 図38 「理想の実現――ギリシャ・クロス」 ●さて、上の1:と2:の2つの話がひとつになって 「13日の金曜日」は、厄日になったようです。 「13日の金曜日」が、イエス・キリストの「命日(めいにち)」では、ないそうです。 当時の「ユダヤの暦」によると、「14日の金曜日」だったらしいです。 ●どちらにしても、イエス・キリストが、肉体をもった「実在の人物」であり、 同時に「父なる神の子ども」で、 「子なる神(子どもの神=童子神)」である…「人間になった神」 ――という「共通認識」をもつことにより、なりたつ「物語」です。 ●わたしは、中学・高校とアメリカの宣教師の方が開いた プロテスタント(キリスト教の旧教=カトリックに反抗=プロテストした新教)のミッション・スク−ルで、学びましたので、こういう「共通認識」をたたきこまれました…… それは、アメリカでは「共通認識」らしいけれど、 江戸文化の延長の町育ちには…? ※追記:[神]についての世界観のお話は、こちらへ↓ 『<神>の世界観を呼吸する 002-意気の呼吸法』 電子書籍 Amazon Kindle版 内藤 景代・著 ★スマホ・PCで読める電子書籍! ↑●「左まんじ」。仏教の象徴。 ※→「左まんじ」と「右まんじ」の「つながり具合」については、 『聖なるチカラと形・ヤントラ』 63p 図7 「T字ヤントラの構造と種類」 ●さて、「13日の金曜日」は、 キリスト教の『新約聖書』におきた「物語」を、「事実」と信じる ――すなわち「キリスト教を信じる人」たちにとって、 重要な「意味」が、ある日……なのです。 だから、 「父なる神」は、「同じ」でも、 イエス・キリストを「神の子≒救世主=救い主」とは認めない …「ユダヤ教」の信者にとっては、「意味」はないでしょう …関係ない。 ●「アッラ−」という「絶対なる神=唯一神」を信じるイスラム教は、 イエス・キリストを――預言者マホメットと「同じ」 ――「預言者のひとり」と、していますが、 13も金曜日も、「意味」は感じないでしょう ……たぶん関係ない……。 ●――そして、神道(しんとう)で、 「七五三(しちごさん 陽の数字!)」を祝い、 「まんじ」マ−ク↑の仏教で葬式をあげる、 わたし達・日本人にとって、「13日の金曜日」は、 どんな「意味」をもつ日なのでしょうか? 今夜、お芝居を見に行きますが、 「やっぱり、きょうは、【ついてない日】だった…」 ということになりませんように……?! |
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