2003年4月12日(土) タンポポなどの葉の「放射状のロゼッタ」形は、「草の葉の民主主義」。どの草の葉も、太陽の光を平等にうけるための「生きる知恵」 |
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「放射状」に広がる葉の形を、「ロゼッタ」といいます。中心から四方八方に平らに広がるので、日本語では「タビラコ(田平子)」というようです。 きのうの大きなタビラコ(田平子)がオニタビラコ(鬼田平子)で、小さいのがコオニタビラコ(小鬼田平子)。 ある学者(牧野富太郎博士?)は、(小鬼)は不要で、「春の七草」の「仏の座(ホトケノザ)=コオニタビラコ(小鬼田平子)」は、ただシンプルに「タビラコ(田平子)」というようにしよう、と決めたそうですが… どうなったのでしょうか。 ●エジプトの、「ロゼッタ・スト−ン」は、ロゼッタという地名のところから発掘された石版(スト−ン)です。「エジプトの絵文字」を解読するヒントになりました。 ●ロゼッタ 葉 と 自動車タイヤ→ ●さて、「タビラコ(田平子)」だけでなく、タンポポやダイコンの葉は、葉の形を、「放射状のロゼッタ」形に広げます。 上の写真ですごいのは、タンポポの葉が、駐車場の自動車のタイヤに踏まれる寸前で、スレスレに「ロゼッタ」形に広げていることです。 ●毎日、ギリギリ、この位置までしかタイヤはこない、というところで、その部分の葉だけ、ヨコに広がらず、上に伸びていたのでしょうか? または、わたしが撮影した日に、偶然、ギリギリに自動車がとまったのでしょうか? ●葉が放射状のロゼッタ形になるのは、太陽の光が、どの葉にもまんべんなく当たるように、「葉が動く」からのようです。 とくに「冬の太陽」は光が弱いので、「ロゼッタ」形で、冬を越す葉は、多いようです。 ●タンポポなどの葉は、自分を囲む環境に「一番よい形」を選んでいるのでしょう。 ←●タンポポの花 ●逆にいうと、太陽の光が、どの葉にもまんべんなく当たるように、 「葉が動く」ので、平らな地面にはえられなかったタンポポは、葉が半分は水平に、残り半分は、垂直に伸びて広がっています。 ●葉が「放射状のロゼッタ」形になるのは、「目的」ではなく、「結果」です。 ●いいかえると、タンポポなどの「草の葉が、太陽の光を平等にうける権利」…というか、「草の葉の、民主主義」の結果が、「放射状のロゼッタ」形といえるかもしれません。 ●タンポポの「野生の知恵」というか「適応力」ですごいな〜と思ったのは、葉だけでなく、茎も自在に曲がることです。 ↑●花のガクで直角に曲がるタンポポの花 ●あのタイヤ側の葉が、上に伸びていたそばに咲いていた、タンポポの花と茎です。 ロゼッタの葉の上を、ヨコへ伸びていた茎は、葉がなくなり地面になるスレスレで、さっとよけるように、花のガク(顎)を90度に曲げて、花を上に向けています。 ●花を上に向ける、ということは、 太陽の光の方を向く、ということです。 タンポポの花は、夕方になると閉じて 次の朝、また開き、2〜3日間、咲き続けるそうです。 閉じて開いて、また閉じて… そして、茎を伸ばし、丸い綿毛(わたげ)になって、どこか遠くへ飛んでいきます。 「動けない、植物」は、いろいろな「生きる知恵」を開発して「適応力」を発揮しているようです。 ※→「動けない、植物」の「生きる知恵」は: 『BIG ME』 p212 「緑の魔術師たち」 |
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