2003年4月17日(木)  黄、紫、白、ピンク、オレンジなどのカラフルな組み合わせの三色スミレ(パンジ−)の鉢植えが咲いています。
芭蕉が俳句によんだ「すみれ草」は、別名を遊蝶花という
三色スミレ(パンジ−)ではありませんでした

山路(やまじ)来て なにやら ゆかし すみれ草 松尾芭蕉  
三色スミレ』 = 『野生の思考』
きょうは、満月。 大潮。

きのう、色の濃淡の花「日本に自生している、野生のスミレ」を
お見せしましたが、
西洋の「野生のスミレ」は、黄、紫、黒の3色の
三色スミレパンジ−)」の原種だそうです。

でも日本で咲いているのは、
園芸種の「三色スミレパンジ−)」です。

いかにも、三色スミレパンジ−)らしいのは、
花びらが2色の組み合わせになっている花です。

 その色は、白、ピンク、オレンジ、藤色、薄紫、濃紫
そして黄、紫、黒の組み合わせですから、多様になります。

 「順列組み合わせ」はいくつ?

                             パンジ− 三色スミレ


     三色スミレ パンジ− 


三色スミレパンジ−)といっても、
上記のうちの、「1色だけの花」もあります。

 それをそれぞれのおうちで、組み合わせ、並べて
寄せ植え」にしたりして、独自性を出しています。


三色スミレパンジ−)は、
江戸時代には日本には知られていませんでした。

 明治時代に、日本に輸入され、
大きな丸い花びらを「胡蝶(こちょう=蝶々)に見立てたのか、
遊蝶花」と名づけらたそうです。


                         パンジ− 三色スミレ

丸い花びらの三色スミレパンジ−)のほうが、
今の日本では「一般的」で、よくみかけるスミレになっているようです。

それしか見たことが、ない…というかたも多いでしょう。
かつてのわたしのように。

                              パンジ− 三色スミレ↑



だからといって、
江戸時代の芭蕉(ばしょう)が「ゆかしい」と、
俳句によんだ「すみれ草(スミレ 菫)」を
三色スミレ
パンジ−)とイメ−ジして想像すると、
「ズレた光景」になってしまうでしょう。
 
 山路やまじ 来て なにやら ゆかし すみれ草    松尾芭蕉


『源氏物語』の小さな白い夕顔ユウガオの花を、
大輪の白い夜顔ヨルガオ)の花……
と思っているよりもっと、
「時代の感性(センス)に、ズレ」があるようです。

 平安時代の貴族の好む「白い花」と、
現代人に人気の「白い花」は、ちがう…

 「白い花」を求めての、このお話は、
去年の夏、長い「続き物」になりました。 

さて、三色スミレパンジ−)のパタ−ンから、
野生の思考」の「構造)」を、発見したのが、
文化人類学者のレヴィ・ストロース
です。

 それで、レヴィ・ストロースは、
フランス語で『三色スミレ』という題(タイトル)の本をかき、
「構造主義」の名著として有名になりました。

  彼の『三色スミレ』という本は、
日本語で『野生の思考』と訳されています。

         三色スミレ』 = 『野生の思考』

パンジ−(三色スミレ)のような『野生の思考』とか、「構造主義」とは?

また明日、
カラフルな三色スミレパンジ−)の写真
とともに、お話しましょう。
  
 
「内藤景代の本 心に残る言葉 読者とつくるページです

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