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2003年4月29日(火) ● 30cmほどの大輪のボタン(牡丹)が、豪華に咲いていました。 ●小雨をさけて、油紙の和紙でつくった番傘の下で。 傘を開いて牡丹を守るのは、90歳の媼(おうな) ●そして、 唐獅 子牡丹 |
![]() →皇居の【石橋の間】(しゃっきょうのま)に並んである、 前田青邨作「石橋」・「白牡丹」・「紅牡丹」の絵。 能楽の「石橋(しゃっきょう)」の絵は、 【谷底に突き落とされ、はい上がっていく】 [子どもの赤獅子]の絵です。 |
雨滴がポツンポツンとくる日、自転車で走っていると、 駐車場に、綺麗なボタン(牡丹)がたくさん咲いているおうちがあり、 立ち止まって拝見しました。 ひときわ大きな、30cmほどの薄いピンクのボタン(牡丹)2つの 真ん中には、中心軸【|】のように竹がまっすぐにのび、 半透明の傘(かさ)で、おおわれていました。 今どき珍しい、油紙(あぶらがみ)の和紙と竹でつくった 番傘(ばんがさ)です。 そのかたわらには、高齢の和服の女性が立ち、 ボタン(牡丹)をながめていました。 ![]() ●「みごとなボタンですね」 とお声をかけると、 「雨がふってきて、可哀想だから。 せっかく咲いたのに。 お天気の時は、お日様にあてますよ」 というお答。 ●「なぜ、ボタンが番傘をさしているのか?」 といつも聞かれる質問の答のようです。 ●「丹精なさいましたね。綺麗なボタンですね」 「もう90歳です。親たちも70歳代でなくなったのに。 私はこんなに長生きをして。このあいだ、病気をしてしまって」 ●「ボタンのかけちがい」のようで、 90歳の媼(おうな)と、おだやかにすすむ会話… ●「とても綺麗なボタン(牡丹)なので、 写真をとらせて頂いてよろしいですか?」 「はい、どうぞ。息子も写真が好きで。どうぞ中へ、お入りください」 「いえ、ここから、とれますから」 と、駐車場の門の柵の間からレンズをむけていると、 「写真がお好きなんですね。どうぞ、中へ…」 と、今まで、床にふせっていたらしい 浴衣の寝間着に赤い毛糸のちゃんちゃんこのおぼつかない足で、 離れている入口へ向かおうとなさるので、 「こちらから、うかがいます」 …と、結局、中へ入れて頂き、 みごとなボタンたちをとらせて頂きました。 ● 「ホ−ムペ−ジにのせて、みなさんにお見せしていいですか」 「お見せしましょう」 と、外へ出てゆっくりと歩いて、 今度は、玄関で、 息子さんの「サクラ(桜)に五重塔(ごじゅうのとう)」と 「朝焼け(?)富士山」の2枚の大きな写真を拝見しました。 ![]() ●ボタン(牡丹) 赤紫 ↑ ![]() ●ボタン(牡丹) 濃いピンク↑ ●ボタン(牡丹)の花は、中国原産で、 はじめは「婦人病や頭痛」などに効くという 「薬用」として大切にされ、 その後、観賞用にもなったそうです。 中国では、唐(とう)の玄宗(げんそう)皇帝の時代に、 「ボタン(牡丹)は、百花の王」とされました。 「花王(かおう)」です(洗剤メ−カ−の名は、ここから?)。 ●立てば、シャクヤク(芍薬)。 座れば、ボタン(牡丹)。 歩くすがたは、ユリ(百合)の花。 花づくしで表現された、 むかしの「美女」の風情(ふぜい)です。 玄宗皇帝の愛した「楊貴妃(ようきひ)」は、 ボタン(牡丹)のような美女だったのでしょう。 ![]() 唐獅 子(からじし)」は、「魔よけの呪力のパワ−」をもつという、 中国伝来の伝統的な図柄です。 「花と力」すなわち『菊と刀』のような 「女性性(陰)と男性性(陽)」の結びつきです。 蒔絵(まきえ)や屏風絵(びょうぶえ)などによくあります。 上のアイコンの赤と青の太極図(たいきょくず)の ヤントラのような「陰陽の対立の統合」を 象徴(シンボル)した図柄といえるでしょう。 ################################ ![]() ※皇居の【石橋の間】(しゃっきょうのま)には、 前田青邨作「石橋」・「白牡丹」・「紅牡丹」の絵が並んで飾られています。 白いボタン(牡丹)と、紅いボタン(牡丹)です。 http://www.kunaicho.go.jp/about/shisetsu/kokyo/kyuden-ph.html 歌舞伎や長唄の「連獅子」のもとになった 能楽の「石橋(しゃっきょう)」の絵です。 【谷底に突き落とされ、はい上がっていく】 [子どもの赤獅子]の絵がかいてあります。 明仁(あきひと)天皇陛下は、 この「石橋」・「白牡丹」・「紅牡丹」の絵を背後にせおうようにして 81歳の誕生日に、お言葉をのべていらっしゃいました。 ボタン(牡丹)に唐獅子の [唐獅子牡丹]の【二重(ダブル)イメージ】を感じます。。。。 【象徴としてのお務め】の「ご退位」の件、 明仁陛下のおこころにかなうように、 微力ながら応援しております。 平成二十九年六月一日 合掌 内藤 景代 拝 ※【象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば(ビデオ) (平成28年8月8日) 】 (→全文 テキスト↓↓ http://www.kunaicho.go.jp/page/okotoba/detail/12 【Message from His Majesty The Emperor(August 8, 2016) 】 (→英文 テキスト↑ ################################ ●日本へは、奈良時代に、ボタン(牡丹)が伝わったそうです。 長唄(ながうた)や日本舞踊の『連獅子(れんじし)』の舞台は、 ボタン(牡丹)の花とあそぶ、 親子の 獅 子(ライオン)の踊りです。唐獅 子牡丹(からじしぼたん)は、刺青(いれずみ)の図柄にもなり、 映画『昭和残侠伝』の高倉 建さんの背中で泣いていました。 ♪♪せなで泣いている 唐獅 子牡丹♪『唐獅子牡丹』(からじしぼたん) 作詞:水城一狼・矢野 亮 作曲:水城一狼 歌:高倉健 ●小雨(こさめ)にも、 番傘の開閉をしようとする細やかなこころづかいが、 ボタン(牡丹)を大きく育てたのでしょう。 その結果、逆に 「花の力(パワ−)」をもらって、 長寿をたもっていらしゃるようにお見受けしました。 ※→力(パワ−)については:『聖なるチカラと形・ヤントラ』を。 p119「なぜ、チカラを物理学に限定するのか?」 p121 図17 「形とチカラ(構造と力)のくくり方」 p122 「なぜ、生きている人間のチカラを過小評価するのか?」 p124 「なぜ、自分のチカラが眠ったままなのか?」 p126 「チカラという野生の馬を、乗りこなすヨガ」 |
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