2003年8月17日(日) ★こころが体に、即、あらわれるような、心身相関的な生きもの、ヤマアラシ。(→「野生の思考」の例 ★「対人関係の距離」のとりかたと「ヤマアラシのジレンマ」。 「呼べば来る」、優しい目をしたタテガミ・ヤマアラシ。 怒らすと、気が逆上し、トゲを逆立て、威嚇するが、ふだんはおとなしい。 「生物の戦略」。(→[野生の思考]で。 ★「ヤントラ 金剛」は「論理の整合性」、 ★「ヤントラ 波」は「あたまが、チョウチョ波動」のイメ−ジ |
これは、なんでしょう? ↓↓ ヤマセミ(山翡翠)のツンツン・ヘア−にも似ていますが、 この白黒のマダラ模様のとがったトゲのような集まりは、なんでしょう? 1本のトゲのようなものは、 30cmくらいの長さで、 白黒まだらの部分の太さは5mmほど。 先端の白い部分は、アイス・ピックのようにとがり、 刺すと痛いです。 わたしは、このとがったトゲのようなものを、 お箸(はし)のように「2本セット」にしたものをもっています。 2本とも、空洞になっていて、とても軽く、 プラスチックのように水をはじきます。 ●さて、もう、おわかりですね。 これは、「ヤマアラシ(山嵐)のトゲ」です。 「2本セット」は、ある「動物園みやげ」で、 NAYヨガスク−ルでの「お話」のときにお見せしたことがあります。 ●ヤマアラシ(山嵐)のトゲ↑ ★「対人関係の距離」のとりかたについて 「ヤマアラシ・ジレンマ」の話をしたときに、 この「ヤマアラシ(山嵐)のトゲの2本セット」を見せて、 各自、実物にふれてもらいました。 ●タテガミ・ヤマアラシ→(→「野生の思考」の例 ●先日、象の花子さんと会った日に、 はじめて、「タテガミ・ヤマアラシ(鬣山嵐)」に出会いました。↑ ●ところは、井の頭公園の動物園。 正式には「井の頭自然文化園」の「本園」です。 ●「分園」は、井の頭公園の弁天池のところにあり、 カワセミ(翡翠)など、水辺の鳥や水生物が中心です。 ※どちらも、月曜日は休園。 ●「ヤマアラシ」の絵や写真は、必ず、この「トゲを逆立て」て、丸くなっている形が多いので、いつもそうしている生きものだと思っていました。 ●……ところが、ぜんぜん、イメ−ジがちがいます。 トゲは寝ています。 もしゃもしゃの髪の毛が顔をおおい、 腰ミノのような白黒のトゲをシャラシャラ鳴らして、 腰をふりながら、ゆっくり歩く姿は、 ユ−モラスで、可愛いです。 ●ヤマアラシは、げっ歯(し)目 ヤマアラシ科。 リスやネズミ、モルモットなどの仲間で、 固い木の実や草などをたべます。 要するに、強い動物ではなく、 武器になるような牙も爪も、ない。 ヤマアラシは、体長が、50〜90cmで、 小型の犬くらい。 ●ヤマアラシは、「毛を変容させて、トゲ」にして、 「身を守る武器」にしました。 「生物の戦略」。(→[野生の思考]で。 敵がきたり、危険を感じると、 後ろ向きになり、毛を逆立てるように、 トゲを逆立てカラカラ鳴らして、威嚇(いかく)します。 敵が襲うと、トゲはすぐにぬけて、 相手に刺さり、ぬけなくなる… だから、ヤマアラシは、ほかの動物たちに恐れられているそうです。 (→「野生の思考」の例 ●「どんな顔をしているのかな〜 見たいな〜」 とカメラを向けると、背中を向けてしまうので、顔が見えません。 けれども、毛並みは寝ていて、 毛を逆立てるようなことはありません。 そして、恥ずかしそうに、腰をふりながら、 ねぐららしき木の出入り口に入っていこうとします。 体の半分くらいの出入り口なので、毛並みは狭くしています。↑ ●出入り口に顔をつっこんだので、 「いいこだね〜 お顔を見せて〜 」 と呼びかけたら、 すこし、ためらってから、 また、こちらへもどってきました。 「いいこだね〜 お利口ね〜」 というと、 はずかしそうに、前まできて、 ちらっと、こちらをみる。カメラ目線。 こんな「気弱な、優しい目」をしています。 この写真の目です。↓ ●ヤマアラシの「気弱な、優しい目」↑(→「野生の思考」の例 ●いっしょにヤマアラシを見ていた、 若い父と子がいて、驚いていました。 そして、少年は、 「日本一、かしこい、ヤマアラシだ!」 と呼びかけていました。 すると、少年のほうへもいきます。 「世界一、かしこい、ヤマアラシだ!!」 と、少年は、叫んでいました。 ●凶暴さで、悪名高い、 ヤマアラシが、「呼べば来る」なんて、知りませんでした。 あのヤマアラシの個体が、 特別に、「つきあいがよい性格」だったのでしょうか。 最近のチョウ(蝶)や、 象の花子さんのように、 こちらも「共振」する のんびりした「波長」を発信していたからでしょうか。 「あたまが、チョウチョ波動」だったりして…… 「あたまが、チョウチョ波動」は、ヤントラなら、波マ−クです。 固い、あたま 柔らかい、あたま 論理の整合性 あたまが、チョウチョ波動 ヤントラ 金剛 ヤントラ 波 ● ヤマアラシのあの目……。 ある種のひとに、そっくり。 こんな「気弱な、優しい目」をしている。臆病。 だから、トゲをもつ。 すぐに「傷つく」から、 自分の身を守るために、 「気が逆上して」、 毛を逆立てる。 人間社会にも、ヤマアラシ的なひとは増加中です。 ●……それで、 「ヤマアラシのジレンマ」という ショ−ペンハウエル(ショ−ペンハウワ−)の話が、 現代人の「対人関係の距離のとりかた」として、 有名になっています。 ショ−ペンハウエルは、ニ−チェに影響をあたえたひとです。 ●「ヤマアラシのジレンマ」とは、 ヤマアラシがおたがいに愛しあおうとして近寄っても、 たがいにトゲがあるので、 近づくと、傷つけあってしまう。 だから、ヤマアラシは、ある距離をおいてしか、 愛しあえないし、つきあえない…… という話です。 ここで、ヤマアラシは、 理知的な現代人のたとえ(メタファ−)になっています。 ●「この話は、わたしと彼(彼女)の話だ」 ……と思うひとも多いでしょう。 ところが、実物のヤマアラシは、 上にかいたように、トゲを逆立てたままで 生きているわけではありません。 ヤマアラシにとって、 トゲは「開閉自在のオ−プン・カ−の屋根」のようなものです。 ヤマアラシの赤ちゃんのトゲは、 生まれる時は、ぬれていて、とがっていません。 「ヤマアラシのジレンマ」は、たとえ(メタファ−)です。 ●ヤマアラシの体の進化というか変容(メタモルフォ−ゼ)をみると、いろいろと瞑想(冥想)的になってしまいます。 無意識の《気》(き)という、 その気(け)が、 トゲトゲという毛(け)に変容した「生物の戦略」。 (→「野生の思考」の例 ヤマアラシは、 「こころが体に、即、あらわれるような、心身相関的な生きもの」 の代表例だなぁ〜と思います。 |
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