2003年8月29日(金) ●儚いカゲロウ(蜻蛉)。 ●優美なウスバカゲロウ(薄羽蜻蛉)の子ども時代は、 「引きこもり」の「アリジゴク(蟻地獄)」という虫。 ●「3000年に一度、咲く」という「ウドンゲ(優曇華)」は、クサカゲロウの卵。 ●脱皮と羽化と、ひとのイニシエイション」。 ●アンダ−グラウンド世界(略称 アングラ)の、白いキノコは… |
「カゲロウ(蜻蛉)のような、儚い(はかない)命」 という、いいかたがありますが、はじめて、 本物のカゲロウ(蜻蛉)に出会いました。 ドラム缶橋を渡り、奥多摩湖にそった湖畔(こはん)の 鬱蒼(うっそう)とした山道を歩いているときです。 左手に湖水が木のあいだからみえ、 陽が樹木にさえぎられて涼しい。 そのぶん、ほの暗い、のぼり道の正面から、 透明な銀色のトンボ(蜻蛉)のようなものが、 ふわふわと飛んできました。 目の前を横ぎり、ふわふわと、 湖水側の枯れ葉に上にとまり、 トンボのような左右2枚づつの4枚の羽根をたたんで、 じっとしています。↓ ●ウスバカゲロウ(薄羽蜻蛉)↑ ●5cmくらいの4枚の羽根が重なり、 ほの暗い木の下で、メタリック(金属的)な輝きをはなっています。 羽根の上には、すぐに細い頭部。 トンボ(蜻蛉)では、ありません。 漢字でかくと、トンボも、カゲロウも、 「蜻蛉」です。 この銀色のマントのような羽根は、 写真でしかみたことのなかった、カゲロウ(蜻蛉)です。 ●正確には「ウスバカゲロウ(薄羽蜻蛉)」。 上のカタカナを4文字で切って発音すると、 差別用語っぽくなるので、注意しましょう((笑)) ◎ウスバカゲロウ(薄羽蜻蛉)は、 幼いときの名は、「アリジゴク(蟻地獄)」です! 砂地に卵を産みつけられてから、 3年目の初夏に、 マユ(繭)をつくってサナギ(蛹)になり、 真夏にやっと、 あの優美でメタリック(金属的)な輝きをもつ、 成虫として、飛び立つそうです。 ちょうど、そのときに出会えたのでしょう。 その前は、地中の恐ろしい、 「アリジゴク(蟻地獄)」という名前の虫だった・・・ ●「アリジゴク(蟻地獄)」は、田舎ではよくみられた ・・といいますが、わたしはまだ、みたことはありません。 乾いた土が、すり鉢のように、円錐形に広がり、 そこにアリ(蟻)や小虫がやってくると、 サラサラと砂が落ちて、 はい上がれず、すり鉢の下の穴に吸いこまれる・・・ その下には、 1,5cmほどの、「アリジゴク(蟻地獄)」という虫 (ウスバカゲロウの子ども時代)がいて、 強固なアゴで、アリ(蟻)や小虫にかみつく・・・ ●「アリジゴク(蟻地獄)」の穴に落ちたら、 どんな虫も、はい上がることはできない、といわれます。 コワイですね。 なんか、「サラ金地獄」や「闇金融(やみきんゆう)」みたいです。 ……でも、小さい頃に、おもしろいので、 「アリジゴク(蟻地獄)」の穴に、 アリ(蟻)をほうりこんで遊んだ、という 元・少年たちの話も、よくききます。 ◎虫たちの変身は、スゴイです。 アリジゴク(蟻地獄)という醜い虫から、 美しいウスバカゲロウ(薄羽蜻蛉)への 脱皮と羽化(うか)。 セミ(蝉)の羽化も劇的(ドラマチック)ですが、 土中の「引きこもり」期間のアリジゴク(蟻地獄)の攻撃性を考えると、 ウスバカゲロウ(薄羽蜻蛉)の変身は、 もっと衝撃的です。 いまの時代に 「ひとが大人になるためのイニシエイション」 と二重写しで、考えてしまいます。 【二重(ダブル)イメージ】 「・・・?」と思うひとも、 美しいウスバカゲロウ(薄羽蜻蛉)の未来像への、 プロセスかも…… ◎さて、ウスバカゲロウ(薄羽蜻蛉)と同じ仲間の、 クサカゲロウの卵は、「ウドンゲ(優曇華)」といわれ、 「3000年に一度、咲く、めずらしい花」だとおもわれてきました。 カゲロウの産みつけた卵を、 「ウドンゲ(優曇華)の花」と イメ−ジする想像力はロマンチックです。 インドの発想です。 「ウドン(優曇)」は、 インドの言葉(梵語)「 udumbara 」の音訳で、 「優曇波羅」の略です。 お盆と同じ、「音訳して略」のパタ−ンです。 (→『ヨガと冥想』でかいたように 「インド発・中国経由・日本着」のパタ−ンのひとつ。) ●ウスバカゲロウ(薄羽蜻蛉)に出会った道で、 湖畔と反対の山側に、 白く丸いキノコ(茸)がはえていました。 2.5cmほどの球体です。 その上の方には、 もっと小さなキノコがたくさん、カサ(笠)を開き、 重なってはえています。 雨が多かったせいか、 「サルの腰かけ」のようなキノコなど、いろいろあります。 毒キノコだといけないので、 「見るだけ」にして歩いてましたが、 なぜか、この白く丸いキノコ(茸)↓だけは、 ほりだしてみたくなりました。下の写真です。 ●キノコ(茸) 白 上部 ●そのへんにある小枝(こえだ)で、 白く丸いキノコ(茸)の下、 ほくほくした土をほっていくと、 なんと! 同じような、白く丸いキノコ(茸)があらわれました!! 下の写真です。↓ ●キノコ(茸) 白 上部と下部↓ ●まるで、白いダンベルのように、 上も下も丸くて、 真ん中の軸でつながっているキノコ(茸)でした。 むかし、「キノコ(茸)狩り」に何度かいきましたが、 「下部が上部と同じ形」のキノコ(茸)は、はじめてみました。 (キノコ(茸)は、また土をかけておきました。) ●「アリジゴク(蟻地獄)」のように、 地面の下は、上から見ただけではわからない、 思いもかけない「アンダ−グラウンド世界(略称 アングラ)」 が広がっているのですね。 |
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