2003年9月30日(火) 「絶滅」にひんしている((絶滅危惧種)、「秋の七草」のひとつ、フジバカマ(藤袴)には、「にせもの」と「ほんもの」が、ある……といいきれるか。またも、「ややこしや〜」の花に出会う。国分寺の「殿ヶ谷戸庭園」と万葉植物園」のフジバカマ(藤袴)のちがいは、「栽培品」と「自生」している野生
街のどこからか、キンモクセイ(金木犀)の香りがただよってきて、青い空を見上げると、濃い緑の葉陰(はかげ)に、小さなオレンジ色の花が咲いています。ここにも、そこにも〜、こんなところにもキンモクセイ(金木犀)の木があったのか…と気づく毎日です。
  探していた「秋の七草」の、フジバカマ(藤袴)の花。やっと、ピンクのつぼみがほころびかけて、白いシベが伸びているフジバカマ(藤袴)に出会いました。ところが、なんと! フジバカマ(藤袴)もまた、「ややこしや〜」の花だったのです!!

1mmほどの花が集まったフジバカマ(藤袴)の花は、むかしは、土手(どて)などに自生していた野草(やそう)だったそうです。ところが、護岸(ごがん)工事などで、土手はみなコンクリ−ト詰め(?)になり、フジバカマ(藤袴)は、ほとんど消えてしまいました。
 「絶滅」にひんしている野草(絶滅危惧種)のひとつが、フジバカマ(藤袴)です。なんか象徴的(シンボリック)な、お話です。たった「7つの草」も保存できず、「秋は、6草」になってしまった、「土建国家・日本」の開発……。
フジバカマ(藤袴) つぼみ 石神井公園
   フジバカマ(藤袴) つぼみ 石神井公園→

そんなわけで、街育ちということもあり、この年まで、フジバカマ(藤袴)は、見たことがありませんでした。

 今年になって、図鑑などを調べ、フジバカマ(藤袴)がある、という石神井公園赤塚植物園などへ出かけましたが、時季がはやく、つぼみしか見られませんでした。



そして、やっと国分寺(こくぶんじ)の殿ヶ谷戸(とのがやと)庭園で、つぼみがほころんでいる、フジバカマ(藤袴)の花に出会いました。
 ところが、殿ヶ谷戸庭園の担当者の方に、お話をきいて驚きました。
 
 「この殿ヶ谷戸庭園に、今、咲いている、フジバカマ(藤袴)は、にせもの
  ほんものは、神代(じんだい)植物公園にある。
  と、専門家にいわれ、そこからもらって、今、育成中」

ということで、「にせもの」と「ほんもの」のフジバカマ(藤袴)のところへ案内していただき、両方を拝見しました。
 「ほんもの」は、まだ、つぼみもなく、葉は、虫にほとんど食われていて、担当者も驚いていました。(2日前までは虫にくわれていなかったそうです。)だから、よくわかりません。
 「にせもの」というフジバカマ(藤袴)は、わたしの目には、図鑑や、石神井公園赤塚植物園で見た葉やつぼみが、そっくりです。

こちらからみれば、殿ヶ谷戸庭園の担当者の方は、園芸の「専門家」です。
 その方が「専門家」とおっしゃる方が、「にせもの」と断定なさるとしたら、数冊の図鑑や、石神井公園赤塚植物園の【草にそえられていた、フジバカマ(藤袴)という「立て札」】などは、どうなるのでしょうか?
 またもや、「ややこしや〜」の花に出会ってしまいました。

 (……なぜ、わたしは、いそがしいのに、ややこしい草ばかりに出会うのか?)
フジバカマ(藤袴) 国分寺「万葉植物園」
さて、それで、湧水(ゆうすい)が流れる、「お鷹(たか)の道」を通り、国分寺にある「万葉(まんよう)植物園」に出かけました。
  入口近く、本堂に向かって左に、フジバカマ(藤袴)の立て札がありました。夕暮れで、よくみえませんが、茎は、今まで見たフジバカマ(藤袴)より太めで、風にそよぐことはなく、まっすぐに立っています。高さは1メ−トルほど、つぼみはありません。
 葉の色や形は、殿ヶ谷戸庭園石神井公園赤塚植物園で見た、フジバカマ(藤袴)と、ビミョ−に、ちがうような……

フジバカマ(藤袴) 国分寺「万葉植物園」

この国分寺の「万葉植物園」のフジバカマ(藤袴)が、「ほんもの」なのかもしれない……
 いかにも、「野趣(やしゅ)」にとんでいる、野草(やそう)のフジバカマ(藤袴)
 ……けれども、今の時季、つぼみもないのだから、生き残るのは大変だろう〜と思いました。 「絶滅」にひんしているのは当然かもしれません。

では、あの「にせもの」といわれたフジバカマ(藤袴)は、何だったのだろう?
 ……と思っていましたら、その花のつぼみが花開いている「フジバカマ(藤袴)」の写真が、殿ヶ谷戸庭園の担当者の方から送られてきました。きのう、「添付ファイル」で。
 ホ−ムペ−ジにのせるお約束をしていましたので、下に、掲載します。感謝

つぼみが花開いている「にせもの」といわれたフジバカマ(藤袴)の写真と、わたし達が今まで石神井公園赤塚植物園で撮影した、フジバカマ(藤袴)のつぼみの写真、「万葉植物園」の写真、数冊の図鑑の写真を、見くらべました。

結論からいうと、どちらのフジバカマ(藤袴)も、キク(菊)科、ヒヨドリバナ属フジバカマ(藤袴)。
 ちがいは、「栽培品」の園芸種か、「自生」している野生種。
 「栽培品」の園芸種は、あちこちにあるが、「自生」している野生種は絶滅危惧種。

にせもの」といわれたフジバカマ(藤袴)は、「栽培品」で、花の色が濃いグレ−ピンク(灰桃色)
  「ほんもの」といわれるフジバカマ(藤袴)は、「自生」している野生種。花の色が、淡く白に近いグレ−ピンク(灰桃色)のようです。

密集した、1mmほどの花が咲くと、白いひらひらしたメシベが糸のように長く伸び、風にそよぎます。
 まるで、ピンクのケ−キにシュガ−(砂糖)をかけたような、または、白いココナツのスライスをふりかけたようなイメ−ジです。
 おいしそうな、お菓子に似た、フジバカマ(藤袴)です。↓
    
      開花したフジバカマ(藤袴)の「栽培品」  殿ヶ谷戸庭園
     ●フジバカマ(藤袴)の「栽培品」↑ 殿ヶ谷戸庭園 (撮影:松元 善博さん)

今、国分寺の殿ヶ谷戸庭園で、フジバカマ(藤袴)の「栽培品」↑が、湧水が流れこむ池にうかぶ築山(つきやま)で、咲いているようです。詳細とリンクは、こちらへ。
 担当の方は、「殿ヶ谷戸庭園管理所  松元 善博
」さん。庭園のホ−ムペ−ジも担当なさっています。
 これからも、季節の花の写真を送ってくださるそうです。楽しみですね。

       
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