きのう、きょうと、おだやかな春の陽ざしの日です。きのうは、本物のサクラ（桜）の花が入ったピンクのおこわ弁当をもって、石神井公園へ行ってきました。池をみながら遅めブランチ（朝食と昼食の兼用）。気分は「春の行楽（こうらく）」ですが、風が水面（みなも）に吹いて、芽吹いた枝垂れ柳（シダレヤナギ）の枝をゆすると、まだまだ寒い・・・

　　●いろいろな枯れ枝に、艶つやした新芽（しんめ）が芽吹いています。
　若い芽（め）、木の芽（きのめ）に「春の息吹（いぶき）」を感じながら、水辺（みずべ）を、のんびり歩く。。。。
　わたしの深い内部で、長いあいだ巻きあげていたものが、大きくほどけていくようです。。。

　●春は、「（枯れた）死からのいのちの復活」を感じる「死と再生のイニシエイション」の時季ですが、２００４年の春、今年は特に、深いレベルで「いのちのよみがえりのパワ−」を感じます。
　いろいろとありましたので・・・

　●「個人のためのイニシエイションのガイド・ブック」のお話は、2003年1月15日(水)のエッセイを。こちらへ。　

　　↑●ネコヤナギ（猫柳）

●ボ−ト池から、三宝寺池（さんぽうじいけ）に渡ると、ネコヤナギ（猫柳）の木が数メ−トル並んでからみあい、ふわふわと、日の光を受けて、銀色に輝いていました。
　まるで、「2003年9月17日(水)　廃墟は、アカマンマや猫じゃらし（エノコログサ）の原っぱに」にお見せした、ネコジャラシ（猫じゃらし＝　エノコログサ）の草が枝になったような、やわらかな銀色の毛におおわれた芽が、風にゆれています。

●ふわふわのムクムクの「猫のしっぽ（尻尾）」に似ている銀色の芽をつけるヤナギ（柳）なので、ネコヤナギ（猫柳）というそうです。
　別名を「エノコロヤナギ（狗尾柳）」。こちらは、「狗の尾」で、「子犬のしっぽ」に見立てています。
　猫派、犬派、どちらにも通用する見立ての名前です。


●冬の寒い時季、銀色のあったかそうなネコヤナギ（猫柳）ばかり見なれているせいか、春の陽ざしに、花穂が開いているネコヤナギ（猫柳）は、別の花のようでした。
　

　●というのも、銀色のネコヤナギ（猫柳）が、赤くなり、その外側を絹糸（きぬいと）のような毛がおおっています。
　これだけ見たら、何の花か分からないでしょう。
　←左の写真の下です。

←●ネコヤナギ（猫柳）


　●その、赤くなったネコヤナギ（猫柳）が、内側からはじけるように開いていくと、白いオシベに黄色い花粉をつけた、ヘアブラシのようになります。
　←左の写真の上です。


●銀から赤、そして、白と黄色に変わっていくようです。
　大きな空間に広がるネコヤナギ（猫柳）の木だったので、「時間による変容のプロセス」が、一ヶ所で一目瞭然でした。


●内側からはじけるように開いていた、ネコヤナギ（猫柳）は、くるんと皮がむかれるようになって（？）、赤い色は姿を消し、白いオシベが四方八方に向きます。

●３〜５ｃｍの、ここまで変容した姿だけを見ると、毛虫（けむし）にそっくり・・・
　右の写真です。→
　
　●ネコヤナギ（猫柳）→

●この姿の時季のネコヤナギ（猫柳）を見たひとは、「気持ち悪い」と敬遠するかもしれません。
　あの可愛い「猫のしっぽ（尻尾）」や「子犬のしっぽ」の面影（おもかげ）は、あまりないので・・・


●「どの時季のネコヤナギ（猫柳）」を見るか、によって、「ネコヤナギ（猫柳）の色」もちがうし、「姿、かたち」も、ちがう。
　「どれが本当のネコヤナギ（猫柳）？」
　といわれても、「全部、本当のネコヤナギ（猫柳）」です。
　まるで、「人間の人生の季節」のようです。
　「変わる自分と、変わらない自分」、それの「どれも、自分」。。。。