BIG ME club | 内藤景代が毎日更新する 日誌風エッセイ 最新情報 |
内藤景代 記 |
2002年8月22日(木) 椿の実は、椿油に。ナスの花とナスの実。紫と紺をあわせた、茄子紺(なすこん)の色。カボチャの花と実 |
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きのうの続きで、「秋や冬の植物」としか思われていない、花や実の「夏の姿」を紹介します。 ●生き物の「連続性」や「変化」の、うつりかわり方がわかると、日常的で「身近かな自然」が、おもしろくなります。 ●たとえば――冬に、赤く咲く――椿(つばき)の花は、夏に茶色の実(み)をつけています。 椿の実からは、椿油(つばきあぶら)がとれます。髪(かみ)につける油で有名です。 ←●椿は、冬しか――わたし達の意識の――スポット・ライトがあたらないようです。 ●椿は、夏の時季は、見過ごしてしまいそうな地味な――「背景の緑」の木という――植物に「変化」しています。 ←●椿の実 ●ナスの花↓です。 ●夏の盛りに、紫の花をさかせる、ナス→ ←●ナスの実 ●和服などの「染め」の色具合(いろぐあい ニュアンス)を注文するときに使う、粋(いき)な色の名前で、渋い(しぶい)「茄子紺(なすこん)」があります。 ●夏の浴衣(ゆかた)や、さらし木綿(もめん)の手ぬぐいの藍染め(あいぞめ)などの「定番の色」と、微妙にちがいをつけたいひとは、さり気なく、この色を「特別注文」にしたりするようです。 「ちょっと見(み)」は、ふつうの藍(あい)色と同じ…… ………でも、よく見ると…どこか、ちがう… ――目立った、ちがいは、ない。でも、微妙に、ちがう。 ●――たぶん、そのあたりの微妙なセンス(感性)が、「粋(いき)」の「意気(いき)=こころ」なのでしょう。 ●――この茄子紺の色が、好きだった、ひとがいました……身のまわりの品(しな)に、この色がたくさんありました。 わたしは幼かったので、「子どもの目」には、「赤い椿のような色気(いろけ)は、まったくなく、地味(じみ)な色ばかりにかこまれているな〜」……としか、見えませんでした……… ――「粋(いき)」だったのですね。そのひとは… ……むかしの、「子ども時代」のわたしは、わからなった……… ● 茄子紺の色は、このナスの実の色↑からきているのでしょう。 紫 + 紺 = 茄子紺 ●カボチャは、黄色い花を咲かせます。↓ そして、黄色い花がしぼむと、緑のカボチャの実が、ふくらんできます。 ←●カボチャの花と、ふくらみつつあるカボチャの実 ●花がしぼみ、実が大きくなってゴロンと大地に横たわる、青いカボチャの実↓。 ●どんな、植物も、「花の時代」をもち、実をみのらせていく……それぞれに、みんな「物語」をもっているのですね。 |
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