今、新しい単行本の制作中ですが、前に読んだ文章を思い出して、「今、やっているような、こういうことに怒っていたんだな」と思いあたり、微苦笑がわいてきてしまいます。
かつて、ある大家が、以下のような内容の文をかいて怒っていらしたのを読んだことがあるからです。
●「今の出版界は、デザイン優先で、けしからん!
まず、デザインありき、で その範囲に収めよという。
そして、あろうことか、先日は、デザイナ−から”文章を削れ”といってきた。
ゆるせん!
デザイナ−は、作家の文章をもらってから、それをどうデザインするかが、仕事だったはずだ。今は本末転倒である」
●「読みやすさ」などを追求するデザイナ−が――上記の大家の場合は、デザイナ−の「ア−ト感覚」優先で黒枠ペ−ジだったようです――全体の構造を考え、部分にわけ、はじめに形(スタイル)を決めて、字数を決め、その範囲でライタ−は、書く。
こういう方法は、新聞や雑誌、実用書などでは当たりまえの方法でしょう。
●金剛ヤントラ ●流れヤントラ
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例;はじめに決められたデザイン 例;書いていく文章など
例;原稿用紙の升目(ますめ)
●ところが、「純文学」などは、書くことが「未知の自分の発見」だったりして、書いてみないとわからない…書いているうちに、とんでもないものがわいてきたり、ひらめいたりする…そういう形(スタイル)で書いている方は多いようです。筆まかせ…
●両方の立場がわかり、それぞれの良さを感じます。わたしの著書は、本により、それぞれの方法をとっています。
●今の、新しい単行本は実用書なので、新聞や雑誌のスタイルです。
はじめに「型(パタ−ン)」が決められ、そこにあてはめていく。
だから、読みやすく、見やすく、初心者にもわかりやすい本――になるはずです。
●無限で深遠なヨガの世界を、短く、わかりやすく「エッセンス」だけにまとめる…のは、「【古い自分】や【過去の自分】への挑戦」です。
「いいたいこと、書きたいこと」を、いかに絞りこむか…
●与えられた「限度」の中で、いかに表現するか…
自分で原稿用紙をつくり、カ−ド式のパタ−ンで、見開きの本を作った、1975年刊のデビュ−作『こんにちわ私のヨガ』の頃にもどった気分です。
初心 (しょしん) に かえる。
●順番として、やっと「巻頭の1章の原稿」制作に入っています。
イラストの方に、先に写真などの原稿を渡すため、はじめの部分から書いているわけではないからです。
●そして、文章を書きあげる前に、イラストの材料になる、写真やイメ−ジを用意して、渡す。ビジュアル優先。
そして最後に、文章をまとめる…
ジュ−サ−のように内容を圧縮して…できるだけ短く 。
●練習のために、新しい単行本用の「字数の書式」で、今、パソコンを入力していますが、こういう文章では、ペ−ジがたりなくなります。
キリリとしまった文章になるように、波長を変換する必要があるようです。
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