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    内藤景代 

  2002年8月31日(土)  
今、「夕顔
(ユウガオ)」と呼ばれている
…園芸種の大きな白い花、
「夜顔
(ヨルガオ)」との出会い
 
「源氏物語の夕顔」といわれていくのか・・

夕顔と呼ばれる…夜顔に、出会いました。今夜のは、下弦(かげん)です。  

昨夜の本物の夜空の月を見て、
下弦のマ−ク
を、今までのように、まっすぐに立てないで、
左に傾いたマ−クをつくりました。

 弓
(ゆみ)の(つる=バネになる)に見立て
真ん中の「光と闇の接線」が、へ傾いています。

 弦が「左斜め」を「下」と表現し、下弦
逆に、弦が「右斜め」は、「上」で、上弦の月。

 ※→ 「(ゆみ)のポ−ズ」は、
『綺麗になるヨガ』 213p 
DVD・ビデオ『ヨガと冥想』
 

 「なりに」しなっている体は、「」をあらわし、後に回して
――両足をつかんでいる――両腕が
「弓の」をあらわしています。

 →肩や首のこりをとり、胸が広がり、明るくなり、精神が柔軟になるポ−ズです。

さて、お待たせしました。
8月27日の夕方、大山阿夫利(おおやまあふり)神社
秋期大祭に出かけ、山に向かうバスの窓から、
大きな白い花がたくさん、山にむかって咲いているのを見かけました。↓

             「夕顔の花」…とよばれる「夜顔の花」

 ●
急いで、次のバスの停留所「良弁の滝(ろうべんのたき)」でおり、
その白い花を探して、道を下りました。

 …もしかしたら…ここは、むかしながらの山里だから、
東京では見かけなくなった夕顔(ゆうがお)の花かもしれない…

 きょうから祭りなので、
山道の両脇はすべて、縄(なわ)とシデ(白い紙を折りたたんだ紙片)で、
結界(けっかい)」がはられ……
ここは、今、「聖なる空間」に
変容していることをあらわしていました。


 観光客も村人もいない、静かな山道。

 「ほんとうにきょうは、祭りの日? 」

…と都会人には感じられる、静謐(せいひつ)な空気がただよっていました。

 珍しいお祭りの話は、明日しましょう。

 『源氏物語』に出てくる「帚木(ははきぎ)=ほうきぐさ」の上に、
支柱が3メ−トルくらい天に向かってのびて、
夕顔と呼ばれているらしい…夜顔(よるがお)」の白い花が、
蔓をからませて、たくさん咲いていました。


↑左端が物干し台。
平屋の屋根よりも高く蔓をのばして咲いている「夕顔夜顔」。

                「夕顔の花」とも呼ばれる「夜顔の花」
 

夕闇の中で、清流の川の上で、
山と競うように咲き誇っている、ほの白い花たち。

 これは「夕顔と呼ばれる…夜顔」の花です。

 まさか、こんな山奥で
みごとに咲いた15〜20cmの大輪の立派な
夕顔と呼ばれる…夜顔」出会えるとは思いませんでした。

……会えるとしたら、かんぴょうのとれる、
ひなびた風情(ふぜい)の5cmくらいの
夕顔」の方だと思っていましたので…

                 「夕顔の花」と呼ばれる「夜顔の花」



祭り提灯の灯る(ともる)山道を下ると、
朝顔夜顔を「寄せ植え」にしているおうちがありましたので、聞いてみました。
               「夕顔の花」と呼ばれる「夜顔の花」

A「この白い花は、なんの花ですか? 」
Q「これは、夕顔の花ですよ。」
A「あの、『源氏物語』に出てくる夕顔の花…ですか?」
Q「はい、そうですよ。」
A「夕顔の花は、かんぴょうがとれるんですが…」
Q「かんぴょうのとれるのも、夕顔っていうんですか?
  
このへんでは栽培していませんね。
  もっと寒いところ、東北地方とかに咲いているのではないですか?」
A「……ありがとうございました………」


数日後に、「薪能(たきぎのう)」が催される予定の、
古式豊かな山里の祭り…その日にあわすかのように、
夜の闇に開く大輪の白い花
…関東の大山(おおやま)様の山里では、
この「白い花」は、「夕顔」と呼ばれていました。

……この土地では、『源氏物語』に出てくる夕顔の花は、
この「大輪の白い花…夜顔」のことなのです………。



――『広辞苑』(岩波書店)では、
夕顔」は、次のようにかいてあります。

「1−」に「−前略−五浅裂した白色の合弁花−中略−
花後、長楕円形または球形の大きな果実を生じる。
果実は、食用とし、また干瓢(かんぴょう)に製する。火鉢置物などにも用いる。」 

――そして、『広辞苑』の夕顔の項の「2−」には、こうかいてあります。
 
  「2−俗には、ヨルガオのことをいう。」


夜顔」は、『広辞苑』では、
ヒルガオ科の多年性蔓草。熱帯アメリカの原産。−中略−
通称
ユウガオウリ科のものとは)。別称、夜会草。」

                           夜顔の実とハ−ト型の葉

やはり、むかしから、
恋物語の《『源氏物語』に出てくる夕顔の花は、
ハ−ト型の葉」→をもつ、
この「大輪の白い花…夜顔」》のイメ−ジの方が、
庶民にとっては、「自然なイメ−ジ」のようです。

黄色い矢印が、夜顔の実で、
3〜5cmの紫色をしたトゲのようなものを何本かもっています。


 きのうかいたように「イメ−ジのねじれ現象」は、定着していくのでしょうか……?

  能舞台のある大山阿夫利神社の夜祭りのお話は、また明日。


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