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    内藤景代 

  2002年年9月1日(日) 江戸の名残のイニシエイション(イニシエーション 通過儀礼)の場で、「意味のある偶然共時性(シンクロニシティ)」により、探していた白い花をみつけた… なまくらな息子・娘や大人をも鍛え直す、大山詣
バスの窓から見えた「白い花」は、夕顔か…と、いそいでおりたバスの停留所の名前は、葛飾北斎(かつしかほくさい)がえがいた浮世絵(うきよえ)で、有名な「ろうべんの滝(良弁のたき)」でした。

葛飾北斎 浮世絵 「相州 大山 ろうべんの滝」  ←●左がその北斎の浮世絵です。 
   左上に長方形のワクでかこまれ、
   「相州(そうしゅう) 大山(おおやま) 
      ろうべんの瀧(たき)」
   という題がかいてあります。
 北斎の「諸国瀧巡り(しょこくたきめぐり)」
   のシリ−ズのひとつです。

 相州というのは、相模の国(さがみのくに)で、今の神奈川県あたりです。
  大山は、「丹沢(たんざわ) 大山(おおやま) 国定公園」に指定されている、風光明媚(ふうこうめいび)な山岳地帯です。

 江戸時代から、大山は、「大山様(おおやまさま)」と江戸の人に呼ばれ、「生活に染みついた心と体の汚れ」を清める(六根清浄 ろっこんしょうじょう)の場として、「(こう)=団体」を組んで、先達(せんだつ)の導師(どうし)=「先導師(せんどうし)」に導かれて登る、お山でした。


ろうべんの滝は、大山に登る人たちの「瀧行(たきぎょう)」の場として、有名です。
北斎の絵には、瀧行をする人、終わってさっぱりと体をふく人などがえがかれています。

山道にはられた、「結界」の縄とシデ

 ←●「秋期大祭」という 「聖なる時空間」をあら わす「結界(けっかい)」の縄とシデが、下の鳥居から、山の神社まで、絶えることなく、ズ−っと、はられています。


足弱(あしよわ)向きのなだらかな「女坂(おんなざか)」と険(けわ)しい「男坂(おとこざか)」があり、その上に「大山阿夫利神社(おおやまあふりじんじゃ)」があります。

山岳信仰の修験道(しゅげんどう)のお山でもあり、大山詣で(おおやまもうで)は火消しのまといの石碑、一種の「イニシエーション(通過儀礼 イニシエイション)の場」だったようです。江戸や東京のひとにとって、「なまくらな、わがまま息子や娘を、鍛え直す」場、でもあったようです。
  古典落語(らくご)に「大山詣で」があります。八五郎さんも、熊さんも登ったわけです。

の名前がほってある、江戸の町の火消し(ひけし)の纏(まとい)をほった石碑。結界が、はられています。
 
 ※→イニシエーション(通過儀礼 イニシエイション)については、『わたし探し・精神世界入門』181p 「現代に生きる〈イニシエイションの秘儀〉」                    『BIG ME』205p 「通過儀礼――イニシエイション

「先導師」の宿 ←●大山詣での山へ登る「先導師(せんどうし)」の経営する旅館。たくさんあります。そこでだしてくれる食事は、ほとんどが、野菜中心の「精進(しょうじん)料理」で、「湯豆腐」と「きゃらぶき(蕗 ふきの煮物)」が名物です。

 わたしも、幼い頃から「大きくなったら、大山様へ連れて行ってあげる」と――母が大山様へ父の代参(だいさん)で泊まりがけで出かけ、留守番をさせられる時に――母からよく言い聞かされていました。
 わたしにとって、大山様へ登ることは、「大きくなること=一人前になること」を意味し、憧れと同時に畏怖(いふ=恐さ)もありました。

「いつか…」と思っているうちに、足弱なので、「ケ−ブルカ−ができたら…」といっているうちに、小学生になり、大山詣でのために学校を休むわけにもいかず…、行かれるようになると、母の方が足がおぼつかなくなる……
 ――結局、母と大山様へ行ったことはありませんでした。

ここ十年くらい、数年に一度は、小田急線で伊勢原まで行き、バスに乗りかえて、大山詣でを家人とするようになりました。急な、手すりもない、岩場の男坂を、夕方、薄暗くなって、2人でおりたときに、ニホンカモシカに出くわして、びっくりしたこともあります。大きいし、こわかったです。

わたしにとって、大山詣では、以上のような「意味」があるので、仕事が一段落した8月27日の暦を見ると、「大山阿夫利(おおやまあふり)神社秋期大祭」とかいてあるので、大山様の祭りは、はじめての体験なので、「ぜひ、行きたい」と祭りの初日に出かけたわけです。
 父から、むかし「祭りは、宵宮(よいみや)だ。地味だが、本当の祭りがある。」と聞いていたので、「神がおりる」といわれる宵宮(=よいまつり)に夕方、出かけました。
 ……そこで、「意味のある偶然共時性(シンクロニシティ)」で、探していた「白い花」……夕顔と呼ばれる…夜顔に、出会ったのです。

 ※→意味のある偶然共時性(シンクロニシティ)」=無関係な「」が、偶然、共振(シンクロ)する出来事。心理学者のユングの概念。
 ※→意味のある偶然共時性→ 『わたし探し・精神世界入門』190p 脚注

「大きくなったら…」という懐かしい声が聞こえ、「大きくなって」大山様の祭りに来て、見たかった「白い花」に出会えて、嬉しい…と、胸の奥から思いました。

……今回のことは、わたしにとって、とても「意味」を感じるので、前置きがながくなりました。お祭りの話は、また明日になります。ご容赦(ようしゃ)を。

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後記: ※→ディオニソスバッカス)の信女が陶酔する姿の、ギリシャの壺絵は、
           『聖なるチカラと形・ヤントラ』 47p 図5 「固い意識が溶けていく


後記:※→個人のためのイニシエイション(イニシエーション 通過儀礼 秘儀参入)と成人式などについては、こちらへ【2003年1月15日(水) 個人のためのイニシエイションのガイド・ブックと、女正月 「何のために? こんな試練が…」
http://www.bigme.jp/000-000-03-01/03-01-15/03-01-15.htm


後記:※→うちキンモクセイ(金木犀 きんもくせい)の「死と再生」のお話は、こちらへ。【2002年10月4日(金) 「死と再生のイニシエイション」と植物神キンモクセイ  『BIG ME』 わたし探し・精神世界入門「死と再生のイニシエイション(イニシエーション 通過儀礼)」と植物神 変容の物語 キンモクセイ(金木犀 きんもくせい) 紅白ミズヒキ(水引 みずひき) 赤白 花 ギリシャのディオニソス(ロ−マでは、バッカス)「死と再生」を祝う酒(ぶどう酒、ワイン)による、陶酔の神 闇の神 『聖なるチカラと形・ヤントラ』 ニ−チェの「3(三)様の変化」『ツァラトゥストラ』の変容の物語 植物神の「死と復活」と陶酔 ワグナ−のオペラ ニ−チェ『悲劇の誕生』「太陽神のアポロ」崇拝 】
http://www.bigme.jp/000-00-02-10/02-10-04/02-10-04.htm

 

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