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虹(にじ)を見ました。
◎↑下から上へ逆三角形▼の形でふきあげる噴水の左に、
斜め45度に虹がかかっています。
●昨日(きのう)、井の頭(いのかしら)公園で、
お昼のお弁当を食べ、散歩していたら、
弁天堂の近くの池の噴水にかかる虹を見ました。
●ここでは、よく虹を見るのですが、
そういうときにかぎって、カメラをもっておらず、
なかなか、写真をとれませんでしたが、やっととれました。
●弁天堂は、弁財天(べんざいてん)をまつるお堂です。
弁天(べんてん)=弁財天=弁才天。
●財宝をもたらす女神という意味で、
「財」をあてたり、
音楽や文芸などの芸能の才能をもたらすという意味で
「才」の字をあてたりします。
井の頭は、「弁財天」で、
石橋湛山(いしばしたんざん=元・東洋経済社長でその後、首相に)の
達筆な扁額(へんがく)が本堂の正面にかかっています。
●さて、ご存じの方も多いでしょうが、弁財天・弁才天は、
インドの水の女神、サラスバティが、
日本の神様としてまつられるようになったものです。
サラスバティのお姿は、『聖なるチカラと形・ヤントラ』の109nの図13
「母なるものの元型イメ−ジ」のEです。
水にうかぶ蓮の花の上に座した女神の
多様な功徳(くどく)をあらわすために、
手が4本かかれています。
正面の手は琵琶(びわ)のような楽器を奏(かな)で、
左手からは金貨が流れ落ちています。
●そして、弁財天・弁才天のシンボルは、
女性性をあらわす、
下向き三角形▼です。
それで、弁天堂の噴水も
逆三角形=下向き三角形なのでしょう。
●また、日本の弁天様(べんてんさま)は、
下向き三角形を
「目には見えない、が、真ん中に、ある形」としてもった、
3つの三角形をかさねた、
大きな正三角形をシンボルとしてもっています。
その大きな正三角形を、水をあらわす波が、円形に囲んでいます。
逆にいうと、この形を見れば、弁財天・弁才天を連想するように、
むかしの日本人はなっていました。
●鎌倉の「銭洗い(ぜにあらい)弁天」のように、
お金が水の流れのように、
無限に入ってくるように…と願う、庶民にとって、
弁天様は、むかしから人気のある神様です。
●夏の湘南海岸は、イモ洗い状態の混雑でしょうが、
江ノ島は「日本 三大 弁財天」のひとつで、
弁天様をおまつりした島です。
島の中にある弁天堂では、二体の弁天様のお像を拝観できます。
●井の頭の弁天様は、
10数年に一度の大祭のご開帳(かいちょう)のとき以外には、
堂守(どうもり)の方もめったに拝見できないそうです。
●江ノ島の中にあるお寺のお稚児さんをモデルにしたのが、
歌舞伎の河竹黙阿弥(かわたけもくあみ)の
『三人吉三(さんにんきちざ)』の弁天小僧(べんてんこぞう)です。
黒い振り袖に島田髷(しまだまげ)の女装の彼が、
悪(あく)が露見(ろけん)し、片肌(かたはだ)ぬいで、
きる啖呵(たんか)が、ご存じの
「しらざ〜 いって きかせやしょう」。
(=知らなければ、言って、聞かせましょう、私のことを)。
※後記:同じ黙阿弥が、同じ発想で造形したというキャラクタ−であり、
ふたつとも尾上菊五郎の当たり役でなので、
同じ「黒い振り袖に島田髷」のお嬢吉三(おじょうきちざ)と記憶が混ざってしまい、
『三人吉三』と書きましたが、弁天小僧が出てくる芝居は
『白波五人男(しらなみごにんおとこ)』です。
白波=泥棒。
●井の頭公園にかかる虹のイメ−ジから、
井の頭公園をよく散歩していた、未完の難解小説『死霊(しれい)』の作家、
埴谷雄高について、書きたかったのですが
……水の流れのように、連想イメ−ジがわいてきて、
長くなったので、また、明日。
http://www.bigme.jp/00-0-01-essay-news/2002-07-21/2002-07-21.htm
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