きょうから、師走です。きのうお話したように、
最近は、都心でもよく見かけるヒヨドリですが、
むかしは、山奥にすむ野鳥として知られていました。
そして、ヒヨドリといえば、その名をつけた
断崖絶壁の「ひよどり越え」が、歴史的に有名です。
●「ひよどり越えの逆落とし(さかおとし)」とは、
源氏と平家が戦った一の谷の合戦(いちのたにのかっせん)での
源 義経(みなもとよしつね)の活躍の話です。
急降下するヒヨドリくらいしか通れない
難所の屏風(びょうぶ)を立てたような急坂の、
ひよどり越え(地名です)…。
●逆の視点からみると、
ひよどり越えさえ、下れれば、敵を奇襲できます。
その戦いの要所(ポイント)に立つ、若き義経。
源 義経は、――源 頼朝の弟で、
幼名を牛若丸(うしわかまる)といい、
父を平家に殺され、わが身も追われ――
子ども時代は、天狗(てんぐ)のもとで
京都の鞍馬山(くらまやま)で修行したという伝説をもっています。
●別なル−トで着いた、
ひよどり越えの頂上で
――断崖絶壁(だんがいぜっぺき)の下での
源氏と平家の乱戦を見下ろしながら
――義経が道案内に聞くと、
「この難所は、たまに鹿(シカ)が通るくらいで、
人間も馬も通らない」…といわれます。
ひよどり越えを下るなんて、人間が、できるわけがない…
●……しかし、義経は、あきらめません。「絶望」しない……
発想の転換をします。そして、名ぜりふをはきます。
鹿は四足(よつあし)、馬も四足
鹿が通って、馬が通れぬはずはない。
●馬と鹿の「ちがい」より
「同じ」部分を発見して、
義経は、人馬一体で、
急坂のひよどり越えを逆落としのように下り、奇襲し、
大勝利をおさめます。
それが、平家滅亡のはじまりでした…
※→「人馬一体」の図は、『BIG ME』 107p
「自他未分と自他一如」
●この「鹿は四足、馬も四足」の話は、
固い硬直した発想を、やわらかくしようという、
発想法の本などに、「歴史的な具体例」として、よく出てきます。
↑● 馬 ↑● 鹿
「これは、これ。あれは、あれ」という
「固まったマニュアル」を「ゼロ=0」にしてみると、
新鮮なアイディアがひらめいてくるものです。
「煮詰まっているかた」は、ぜひ、おためしあれ…
たとえば、下のヤントラの変化のように。
ヤントラ 金剛 ゆらぐヤントラ ヤントラ渦巻き
ギリシャ・クロス
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