2003年7月2日(水) 半夏生(はんげしょう)のややこしや〜。雑節のひとつ、夏至から11日目の半夏生。毒にも薬にもなる、カラスビシャクの「ハンゲ(半夏)」が「生」える時季。「半分しか、お化粧していないような草」は、「半化粧」であり、半夏生の頃に咲くから、ハンゲショウ | |
きょうは、半夏生(はんげしょう)。太陽の黄経が100度になる日で、夏至(げし)から11日目です。 半夏生は、「雑節(ざっせつ)」のひとつです。 雑節とは、24節気や5節句以外の「季節の変化の目安になる日」の総称です。 節分、八十八夜、入梅、半夏生、二百十日、土用、彼岸などを、雑節といいます。 ●ハンゲショウ(半夏生)↓という植物があり、先月末(6月28日)の石神井(しゃくじい)公園で、白い花が咲いていたので、きょう、お見せするつもりでした。 半夏生の日に、ハンゲショウ(半夏生)の花。 シンプルでいい、と思っていました。 ところが… なんと! 「ややこしや〜〜」の問題があるテ−マだったのです!! ●ハンゲショウ (半夏生 半化粧) → 今年の6月28日 ●半夏生とは、半夏(ハンゲ)という「毒草」が、生える時季という説があります。 、 「半夏」が「生」える→ 「半夏生」という雑節が、できた。 その半夏という植物は、「薬草」で「生薬(しょうやく)」になるという説もあります。 半夏は、「毒草」なのか、「薬草」なのか? (……なぜ、わたしは、いそがしいのに、ややこしい草ばかりに出会うのか?) ●さて、ハンゲ(半夏)は、「毒」をもっていますが、「薬」になります。 毒にも、薬にもなる……のが、ハンゲ(半夏)。 ハンゲ(半夏)は、サトイモ(里芋)科のカラスビシャクで、別名を「ヘソクリ」とか「スズメノヒシャク」といいます。 「ヒシャク(柄杓)」とは、水をくむ道具で、お茶をたてるときに、今でも、竹の柄杓(ひしゃく)をつかいます。 ●ハンゲ(半夏)すなわちカラスビシャクは、絵や写真によると、ヒシャクに似た試験管のような袋をもち、その袋から1本だけ、長い草がはえ、ヒシャクの柄(え)のようになっています。 ●そのハンゲ(半夏)=カラスビシャクの、根茎をほりだし、3日間、塩水にひたし、棒でかき回して水洗いして、乾燥させると、「ハンゲ(半夏)という生薬」になります。 煎じると、セキ(咳)に効く鎮咳薬や鎮吐薬として服用されます。 ●さて、それは、ハンゲ(半夏)すなわちカラスビシャクのお話です。 きょう、お見せしたのは、ドクダミ科のハンゲショウの花で、「半夏生」という字をあてたり、「半化粧」という字をあてます。 ●「半夏生」の時季に咲くから、「半夏生」の花、という説もあります。 ほかに、面白いのは、「半分しか、お化粧していないような草」だから「半分の化粧(けしょう)」で、「半化粧」。 石神井公園では、この草花のそばに、「半化粧」として、上記の説明がかいてあります。それで、去年の7月8日にとった写真が、下です。↓ ←●ハンゲショウ (半夏生 半化粧) 去年の7月8日 ●去年7月のまぶしい光の下で、「白塗りのお化粧」を塗り残したように、葉の先端に緑が残って、ほかは白い。 いわれてみれば、まったく、そのとおりのイメ−ジだ……とその時、感じました。 ふっくらとした、卵形で、あごがつんとのびている顔・・・それとも、襟足(えりあし)か? ●今年の6月28日に、石神井公園でとった上の写真は、まだ、「白塗りのお化粧」を、ほとんどはじめていません。 緑の葉に白い部分があるのは、10%あるかないか…… 5mmほどの小さな白い花が、びっしりと花穂をつくっています。 花穂の先端は、お辞儀(じぎ)をするようにうなだれ、風にゆれていました。 ●このハンゲショウ(半夏生 半化粧)は、夏至から11日目の半夏生の今頃から、緑だった葉が、茎の近くから白くなっていくので、ハンゲショウ(半夏生)と名づけられた・・・という説もあります。 ●きょうあたりから、ハンゲショウ(半夏生 半化粧)は、上の写真と下の写真の中間の「緑と白の関係」になっているのでしょう。 そして、これからは、もっと「白塗りのお化粧を塗り残したような、白い葉」がふえていくのでしょう。 ●白くなった葉は、花が枯れると、また、「緑の葉にもどる」そうですが、上の写真のような緑にはもどらないそうです。 とはいえ、「緑の黒髪(みどりのくろかみ)」が、「白髪(はくはつ)」になっても、このハンゲショウ(半夏生 半化粧)のように、また、「緑の黒髪」にもどるといいですね。 ハンゲショウ(半夏生 半化粧)の不思議なメカニズムを研究して、バイオ・テクノロジ−(生物工学)で、どなたか、人間の「緑から白」にも、応用してくださいませんか? 成功すれば、喜ぶひとも、多いでしょう。 |
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