「一切衆生悉皆成仏」●「南無大師常住金剛」の真言（マントラ）の「大師」とは、どなたか？　●川越大師の喜多院●禅宗の始祖は、ダルマ大師●「南無大師遍照金剛」の真言宗の始祖、空海も、お大師さま●「一切衆生悉皆成仏」をとなえた、天台宗の中興の大師、慈恵大師（　じえだいし）●「春一番」のあと続く、つめたい空気　写真[内藤景代（ＮＡＹヨガスクール主宰）の瞑想フォト・エッセイ]

2004年2月18日(水)　●「南無大師常住金剛」の真言（マントラ）の「大師」とは、どなたか？　●川越大師の喜多院●禅宗の始祖は、ダルマ大師●「南無大師遍照金剛」の真言宗の始祖、空海も、お大師さま●「一切衆生悉皆成仏」をとなえた、天台宗の中興の大師、慈恵大師（　じえだいし）●「春一番」のあと続く、つめたい空気

春一番（はるいちばん）が、すでに吹き、陽ざしは暖かくても、つめたい空気の日が続きます。
ほこりよけや花粉よけ、またはウイルスよけなどで、
マスクをしているかたもたくさんみうけます。

つめたい空気は、
先日、出かけた小江戸（こえど）、
川越（かわごえ）の空気を思い出します。

                                     ↑●南無大師常住金剛の真言（マントラ）

　●川越は、

「2003年5月17日(土)  浅草の三社祭と神と仏の神仏習合。
そしてお祭り猫と、御神輿と山車」

のエッセイにかいたように、

川越祭りなど、何度か出かけています。　　　　　　　　　

　●ところが、いつも、櫓（やぐら）の上で鳴り響く
「時の鐘（かね）」のある、
蔵（くら）の町並みあたりを中心に歩いていました。

　それで、今回は、方向を変え、
西武新宿駅から、特急ライナ－にのり、
本川越（ほんかわごえ）でおり、
乗り降り自由切符で、
巡回バスにのることにしました。

●観光案内もかねる、
バスの運転手さんの名調子にのせられて（？）、
すぐの停留所、
喜多院（きたいん）あたりでおりました。

　空が大きく、空気が澄んでいて、
「江戸の空気」を感じます。

　蔵（くら）の町並みは、
狭い道路に、車が多いですが、
こちらは、田んぼがあるような低い町並みです。

　●「江戸の空気」というのは、内も外も、寒い・・・

　部屋全体を暖める、ということはしないからです。

　生涯のほとんどを、
着物をきてすごした、
明治生まれの母が、
寒いといいながら、
スト－ブで、部屋全体を暖めることを
嫌っていたのを思い出しました。

●喜多院（きたいん）は、
なぜか、なつかしいところでした。

　それは、わたしがよく犬の散歩をしていた、
上野の寛永寺（かんえいじ）につながる、
お寺だったからです。

●喜多院には、「川越大師（かわごえだいし）」
という別名がありました。

　川崎大師には、いったことがありますが、
川越にも、川越大師があったのです・・・

　やはり、達磨（ダルマ）さんが名物のひとつです。

　達磨さんは、
禅宗の始祖（しそ）ダルマ大師
＝ダルマさんが、

禅＝瞑想（冥想）を続け、
両手両足がなえてしまった形をあらわした
人形といわれています。

　※→禅宗の始祖ダルマ大師については：
　『ヨガと冥想』130pの脚注

●禅宗の始祖、達磨さんも、
始祖ダルマ「大師」とよび、
真言宗（しんごんしゅう）の始祖である空海（くうかい）も
弘法（こうぼう）大師で、「お大師（だいし）さま」とよびます。

　同時代の、日本の天台宗（てんだいしゅう）の始祖、
最澄（さいちょう）は、伝教（でんぎょう）大師です。


　※→「ヨガ行者＝ヨギ」である空海の「ヨガ宗」といわれる真言密教については、
　　　『ヨガと冥想』　136ｐ　
　　　　「日本の神々とインドの仏を統合した、空海――ヨガ宗」

●では、ここの川越大師の「お大師さま」は、どなたかな？

　空海のむこうをはって（？）、
「天海（てんかい）」と名のった、
天海僧正（そうじょう）ゆかりの喜多院なので、
江戸幕府の「黒衣の宰相」とよばれた、天海？

　
●本堂にお参りしながら、「お大師さま」は、天海かな？

　と思って、ふと左をみると、
上記のような「真言（マントラ）」が
達筆（たっぴつ）でかかっていました。

　南無大師　常住　金剛（なむだいしじょうじゅうこんごう）

●四国へ以前、いったとき、
お遍路（へんろ）さんの白衣（びゃくえ）の背中には、
同じような「真言（マントラ）」が、墨でかいてありました。

　南無大師　遍照　金剛（なむだいし　へんじょう　こんごう）

　「常住」と「遍照」が、ちがう・・・　

●「南無大師　遍照　金剛」は、

密教の本尊（ほんぞん）である
大日如来（だいにちにょらい）
の別名で、

弘法大師・空海が、
唐（中国）で恵果師からいただいた称号でもあるといわれます。

　　南無大師　遍照　金剛　＝　大日如来　＝　空海

　太陽のように、
光が遍く（あまねく）世を照らし、
金剛（ダイヤモンド）のように堅固な存在である、大師。

●「常に、ここに住む」という
「常住　金剛」である、大師は、

天台宗の中興の大師、
慈恵大師（じえだいし）でした。

　慈恵大師　良源（りょうげん）は、９１２年生まれで、９８５年没。

　第１８世天台座主（ざす）として活躍した、
　日本天台宗中興の祖。

　
●慈恵大師の有名な言葉は、
　
　「一切衆生悉皆成仏
                    （いっさいしゅじゅうしっかいじょうぶつ）」

　（みんな仏になることができる）

　きょうは、ここまでにいたしましょう。
　天海の話などは、また・・・

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