2002年10月29日(火)
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きょうは、下弦です。 空気が寒くなっただけ、星が綺麗で、 もうオリオン星座が都会でもくっきりと見えます。 雑司ヶ谷の鬼子母神に小屋がけされた 「紅テント」の唐座のお芝居、 唐十郎 作・演出・出演の『虹屋敷』で、虹を見ました…… ●ある日の午後、光のいたずらで、 壁に、偶然できた虹(にじ)です。↓ ●わたしは、虹が大好きで、 『聖なるチカラと形・ヤントラ』のカバ−にも、 円形の虹の下方の部分をかいていただきました。 そして、「虹の架け橋」とか、 「オズの魔法使い」の主題歌 ♪オ−バ−ザレインボ−♪♪ の話(『BIG ME』 163p)とか 「メタファ−(暗喩)や見立て」として、 虹をよく使います。 7月20日には、弁財天の弁天堂の近くにある 噴水にかかる虹をのせました。 ●「気の波長のちがい」が、 心身相関のチャクラともつながり、 そのたとえとして、 「虹の七色」は、わかりやすいようです。 そして、気の波長のグラデ−ション(階調)で、できる 「レインボ−・カクテル」をかきまわすと、 「ひとつになる」という風に「たとえ話」でも、 よく使います。 (『聖なるチカラと形・ヤントラ』 175p) ※→「レインボ−・カクテル」のイメ−ジは、次の図解をどうぞ。 (『聖なるチカラと形・ヤントラ』 175p 図25−4−C 「頂点と中心点の一致 :レインボ−・カクテル」を。 ●雑司ヶ谷(ぞうしがや)の鬼子母神(きしぼじん)の イチョウの大樹のそばに設営された紅いテント。 その中の、座布団もない、狭い空間にとじこめられて、 「異界」につれこまれたような気分にされます。 そして、はじまるのは、地下の下水道という、 都市の異空間の混乱と錯乱… ↑●紅(あか)テント ●紅テントの受付 ●はじめは、引き気味で、 舞台の出演者の狂乱ぶりをみているうちに、 イメ−ジの喚起力の強い、 メタファ−や詩的な言葉が、 自分の忘れていた記憶や 無意識のイメ−ジといつのまにか、 混じりあって、 「唐さんの妄想の世界」に、巻きこまれていきます…… ●スゴイな〜と感じるのは、 「言葉」やイメ−ジという つかみどころのないものを、 役者さんが、体で表現していく…ことです。 いいかえると、 「悪夢」や「白昼夢」を実体化して、 だれもが、舞台の空間につかめるような気にさせてしまう、 というのか…。 ●理屈っぽい「固形的な意識」は、 骨抜きにされて、 渦巻くような「流動的な意識」に変換されていく …なかば、強引に…… そして、ともに、幻影をみてしまう…… ●ねずみ、ねずみとり、ねずみのバニ−・ガ−ル、 青いポワゾン(毒)、地下道、街灯、カ−ド破産、取り立て屋、 70年安保(あんぽ)、昭和の妖怪・岸 信介、 巣鴨プリズン、 東京ロ−ズ、額縁ショ−、乙女チックバレエ団、 花屋敷、ジェットコ−スタ−、台東区、 約束、友情、兄と妹、 「自己破産しても、破産しない、自己とは何か?」…そして、虹。 ●まぼろしの「虹屋敷」を舞台に現前させ、 虹を見せてくれたら、 その「価値」は、巨大な負債と「同等」になる …という妖怪でありコワイ、 ドラキュラのような「そのスジ」の整理屋にせまられ、 追いつめられた主人公は、約束する ……できるのか? ●観客の方が、 彼と一体になって、 心配してしまったりして、 唐さんの術中にはまっている自分に気づく ……それが、お芝居の醍醐味(だいごみ)です。 距離感があった、物語が、 いつか、自分もその物語に入りこんでいる…… そして、行って還ってくると、 現実が別の形で見えてくる…… ●たとえば、きのうの月光に照らされたサンシャインのビルは、 平成のふつうのビルではなく、 時空間の深さと広がりをもった、物語をもつビルに見えてきます…… 固形的な意識 柔らかくなっていく意識 流動的な意識 ※→「固形的な意識」や「流動的な意識」は、 『聖なるチカラと形・ヤントラ』 121p 図17「形とチカラのくくり方」を。 http://yantra-book.nay.jp/ |
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