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2003年4月2日(水) 火が燃え立つような深紅色、緋色。緋桜ともいうカンヒザクラ(寒緋桜)も満開。南の沖縄でサクラといえば、このスカ−レット色のサクラのこと | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
きょうは、新月。● New Moon 朝から雨。満開だった、緋桜(ヒザクラ)ともいう カンヒザクラ(寒緋桜 カンヒサクラ)は、散ってしまったかもしれません。 ![]() ●カンヒザクラ(寒緋桜 カンヒサクラ)↑ ●「火」が燃え立つような深紅色、 緋色のカンヒザクラ(寒緋桜)を見たときは、 とてもサクラ(桜)とは思えませんでした。 ●なぜなら、「水」のように白に近い、淡いピンクのサクラ(桜)、 ソメイヨシノばかりみなれていた目には、鮮やかすぎる赤だったからです。スカ−レット(緋色)。 ●それだけでなく、花の形も下向きで、1〜2cmほどの 釣り鐘(つりがね)をいくつも束ねたような花房(はなぶさ)になっています。 その花房が何十セットも、枝から緋色の固まりとして、ゆれている… ![]() ●この木の下から緋色の花房を見上げると、花房が大きめのひとつの花のようにも見えます。 そして、真紅の花房のすき間から、青い空が見える… ●南国の沖縄で、サクラといえば、このカンヒザクラのことだそうです。 毎年、お正月頃から咲いているとか。 南の赤い草花、ブ−ゲンビリアやポインセチアにひけをとらない、赤いサクラです。 ●カンヒザクラ(寒緋桜 カンヒサクラ)は、ヒカンザクラ(緋寒桜 ヒカンサクラ)とか、ヒザクラ(緋桜)とよばれます。 はじめは、ヒカンザクラ(緋寒桜)とよばれていたそうです。 ところが、きのうのエドヒガン(江戸彼岸)などのヒガンザクラ(彼岸桜)と、聞きまちがえやすいので、カンヒザクラ(寒緋桜 カンヒサクラ)というようになったそうです。 ●「ヒカン」と「ヒガン」、漢字でかくと「緋寒」と「彼岸」で、まるでちがいますが、耳で聞くと、たしかにそうかもしれません。 耳だけですと、「ヒカン」は、「避寒」にも聞こえます。 このサクラを見る前に、沖縄の人から話を聞いていた時は、わたしは、そう聞いていました。「寒さを避けて(=避寒)、南で咲くサクラ」、と納得したりして… ●緋色は、英語では、スカ−レット。『緋文字』(ホーソン)、『緋色の研究』(ドイル)。 アメリカの南部を舞台にした、大ベストセラ−小説で、映画や舞台でも大ヒットした名作、『風と共に去りぬ』のヒロインは、スカ−レット・オハラ。 スカ−レットは、情熱的で誇り高い南部の女性で、 スカ−レット(真紅、深紅、緋色)のドレスが似合う女性として、 かかれています。 ●「火(ヒ)」の色のような緋(ヒ)色は、最近、使わない言葉ですが、 むかしは、よく使われていた色で、 今でも歌舞伎などでは、よく使います。 ●「緋縅(ひおどし)の鎧(よろい)」は、 これからの5月の節句で、ミニチュアが飾られます。 若武者(わかむしゃ)が身につける、全体が緋色に見える鎧のことです。 日本の鎧は、細い金属片(札)をつないで、動きやすいようにしてあります。 その鎧の金属片(札)をとめるヒモ(紐)が緋色で、 全体も緋色に見える鎧が「緋縅の鎧」。 今風にいえば、スニ−カ−を赤いヒモ(緋色)で編み上げてあるようなものでしょう。 ●歌舞伎の『弁天小僧(べんてんこぞう)』(河竹黙阿弥・作)では、 女装の弁天小僧が、 「京染(きょうぞめ)のお振袖に、 お襦袢(じゅばん)になる 緋縮緬(ひぢりめん)緋鹿子(ひがのこ)などを見せて下さい。」 と呉服屋へやってくるところからはじまります。 そして、悪が露見し、啖呵をきるわけです。 (去年の7月20日のエッセイをどうぞ) 「知らざあ言って聞かせやしょう。 浜の真砂(まさご)と五右衛門が歌に残せし盗人(ぬすびと)の 種は尽きねえ七里ヶ浜、その白浪(しらなみ)の夜働き、 以前を言やあ江の島で年季勤めの稚児ヶ淵(ちごがふち)… 江の島、稚児ヶ淵は、今年の1月17日〜19日に。 緋色が「悪の色気」のゾクソクする倒錯の美学を演出する、 「良い子には毒」な、歌舞伎です。 |
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