2003年9月24日(水) 秋分は、天球で「春分点」の反対側に太陽がきた日。『万葉集 』で、山上憶良が「萩の花 尾花 葛花 なでしこが花 をみなへし また藤袴 朝顔が花」と、「秋の七草」をよむ。「春の七草」の歌との口調(リズム)のちがい。(5・7・7)×2と(5・7)+(5・7・7)こころをうたう定型詩」の変化は呼吸のリズム」のちがい? オミナエシ(女郎花)とオトコエシ(男郎花)の花
きのうは、秋分(しゅうぶん)で、お彼岸のお中日(おひがんのおちゅうにち)でした。お彼岸あけは、9月26日で、新月●。きのう、きょうと、長袖がほしい、肌寒い日です。
 きょうから、だんだんに、昼の時間が短く、夜が長くなっていきます。 
 ♪秋の夜長(よなが)を  なきとおす  虫の声♪

 秋分は、一年の「気の流れ」を分節した24節気の1つで、秋分の日に、昼と夜の長さがほとんど同じになります。
  太陽が、天の「秋分点」にきたときが、秋分。
  「秋分点」は、天球儀で、黄道(こうどう)と天の赤道(せきどう)の交点で、「春分点」の反対側。黄経と赤道のどちらも180度。

秋の七草(ななくさ)」は、「春の七草」より、なぜか、おぼえにくいです。
 「春の七草」は、「5・7・5・7・7」で、短歌(和歌)と同じ「言葉の配列」なので、耳と口で暗記しやすい口調(くちょう)のリズムだからでしょうか。
  春の七草は、次です。『河海抄』
 
 「芹 なづな 御行 はくべら 仏座 すずな すずしろ これぞ七種(ななくさ)」

御形(オギョウ,ゴギョウ)は、ハハコグサ(母子草)のことです。
  ハハコグサ(母子草)は、黄色い小さな キク科の野草で、初秋の今でもアカマンマ(イヌタデ 犬蓼)のそばに咲いていました。
  葉や茎は、銀白色のうぶ毛につつまれています。若い苗を食べるそうです。

さて、「秋の七草」は、『万葉集 』で、山上憶良(やまのうえおくら)が、「5・7・・5・7・7」でよんでいます。
 
 「萩の花 尾花 葛花 なでしこが花 をみなへし また藤袴 朝顔が花

                             山上憶良 『万葉集 』

「秋の七草」の歌は、はじめが、俳句川柳(せんりゅう)、そして短歌(和歌)のように、「5・7・5」ではじまらず、「「5・7・」ではじまり、同じく「5・7・」で終わるのは、「万葉調(まんようちょう)」の「旋頭歌(せどうか)」というらしいです。

       (5・7・×2     =5・7・5・7・  万葉調 旋頭歌
       (5・7)+ (5・7・)=5・77・7     短歌(和歌)
       (5・7)+ ()            =5・7             俳句川柳
 

奈良時代以後は、すでに、(5・7・)×2の「旋頭歌」は、長歌とともにすたれたようで、(5・7)+ (5・7・の「短歌(和歌)」定型詩は、なっていきました。
     そして、江戸時代には、「5・75」俳句川柳になり、もっと短くなります。
  呼吸のリズム」が、変化したのでしょうか。
  こころをうたう、「定型詩」が、奈良時代→平安時代→江戸時代と、どんどん、短くなっています。

秋の七草」で、尾花(おばな)は、ススキ(薄)
          「幽霊の正体 見たり 枯れ 尾花」   5・7・5
 「葛花」は、夏にお見せした、クズ(葛)の花。 
 「をみなへし」は、下の写真↓。黄色い小さな花の集まり、オミナエシ(女郎花)。 
 「藤袴(フジバカマ)」は、今の時季まだ、つぼみの姿だけしかうつせません。 
 「朝顔が花」は、当時は「キキョウ(桔梗)」のことだったそうです。
オミナエシ(女郎花) 全体像  


オミナエシ(女郎花) 全体像

  ●オミナエシ(女郎花) 花↓
 

オミナエシ(女郎花) 花 拡大



  オミナエシ(女郎花) 花 拡大


すっきり立った細い茎の先に、5mmほどの「黄色い小さな花」が集まり、扇形の円錐形に広がるオミナエシ(女郎花)は、むかしの「日本の女性」のイメ−ジでしょうか?
 
小さな花プチ・フル−ル)」、繊細な花が、むかしの日本人は、好きだったようです。
 「オトコエシ(男郎花)」も、オミナエシ(女郎花)に似た形で、5mmほどの「白い小さな花」の集まりです。↓
      
オトコエシ(男郎花)の白い花↑

オトコエシ(男郎花)の白い花と、虫
「どうして、これが、男郎花オトコエシ)なの?」
 と連れと話してしまいましたが、オトコエシ(男郎花)も、しなやかで繊細な「白い小さな花」の集まりで、武(ぶ)ばっていません。

あの赤鬼のようなマッチョ系ではない。
 「歌をよむ男」としての、やわらかで繊細な「男郎」のイメ−ジなのかもしれません。

   ←オトコエシ(男郎花)の白い花と、虫


上の写真の男郎花オトコエシ)は、2〜3メ−トルほどに、伸びていました。
  黄色いオミナエシ(女郎花)にくらべれば、「たけも高く、力強く感じるから」という名づけの由来といいます。
 
オミナエシ(女郎花)も、オトコエシ(男郎花)も、同じく「オミナエシ科、オミナエシ属」です。
   「母の日」に対抗(?)してできた「父の日」のように、古代から有名な黄色い女郎花に対して、「逆差別だ(?)」とばかりに、後から白い同じような花にオトコエシ(男郎花)と名づけたらしいです。
  ……というようりは、黄色い女郎花を「」に見立て、白いオトコエシ(男郎花)を「」に見立て、「金と銀」の一対(ペア)と、「仲良く(?)」優雅に見立てたのでしょう。
  黄色いキンモクセイ(金木犀)と白いギンモクセイ(銀木犀)の「金と銀」のモクセイ(木犀)のように……
 そろそろ、キンモクセイ(金木犀)のつぼみも、ほころんできた頃でしょうか。
 
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